骨髄異形成症候群を伴う急性骨髄性白血病
幸いなことに、という表現が正しいのかは分からないが、県でいちばん大きながんセンターが、実家から15分の距離にある。私の家からも車で15分だ。
12月1日から入院。
抗がん剤のスタート。
主治医の先生の説明によると。
白血病にもいくつか種類があるが、母は急性骨髄性白血病だという。
それだけでなく、骨髄異形成症候群という症状があること。
異形成なんちゃらとは、血液(赤血球、白血球、血小板)をつくる造血幹細胞が異常をきたし、きちんとした血液が作られない病気。
異形成〜を血液のチンピラとすると、チンピラが更に悪くなったヤクザが白血病(がん)であると。
異形成なんちゃらには、多分ずっと前からかかっていたであろうということ。でも、それがいつ白血病になったかは分からないこと。
また、白血病には、他のがんのようにステージいくつという測り方はないこと。
治療の第1ステップとしては、一般的な白血病治療のとおり、抗がん剤で寛解導入療法を行う。
これは、1週間の抗がん剤投与を行い、血液中のがん細胞をがん細胞を減らし、具体的には骨髄の中の白血病細胞を5%以下にする(寛解と呼ぶ)目的のもの。しかしこれは正常な血液細胞も破壊してしまう。抗がん剤投与で減りに減った血液細胞が、投与終了後、ヨーイドンで増えていく過程で、がん細胞ではなくて正常な血液細胞がきちんと増えていくことを期待したいと。
ただ母の場合は骨髄の中に異形成なんちゃらのチンピラがいるので、ヨーイドンでチンピラが邪魔をするかもしれない…と。
抗がん剤投与からのヨーイドンで経過を見るのに約1ヶ月。この寛解導入療法を計6タームやるとのこと。
6ヶ月か…。
ていうか、ただでさえ難しいであろう白血病の治療の、邪魔をするチンピラがいるのか…。
それはショックの追い討ちだった。
「髪の抜けない抗がん剤もあるみたいだし…」
母の抗がん剤はそれではないようだ。
11月のあの告白の日から、本やwebで白血病のことを自分なりに調べてきた。
希望を感じる記事や新しい治療法の話題に喜ぶも、母の場合には当てはまらなかったりして、結局は、主治医の先生の方針に託すしかないのだ。
それでも、県西部の医大よりも、母のかかるこの病院の方が人気だよ!安心だよ!という周りの励ましを、根拠は分からないけれど信じるしかないし、母の主治医は物腰も優しくなんたって部長さんだ。
最善の環境で最善の治療を受けて、治してもらうんだ。
そう思って自分を励ます。それは今も変わらない。